2017年9月7日木曜日

イランの町がどにできた「やさしさの壁」Wall of Compassion in Shiraz

イランで「思いやりの壁」で善意の広がり 
2016年01月14日ブログ「あほうどりのひとりごと 幸福への近道」より

Wall of Compassion in Shiraz

厳しい冬を迎えているイラン。
イランは核開発問題で国際的な孤立を深めている現状です。去年ようやく欧米6か国との問題解決への最終合意に至りました。しかし経済制裁はまだ解除されず、物価高騰などで多くの国民が経済的に厳しい生活を送っています。路上生活を強いられる人々も多くなりました。こうした人たちを支援しようと、不要になった服を、必要としている人に寄付する善意の輪が広がっています。
標高1200メートル以上の高地にあるイランの首都テヘラン、人口820万人の大都市です。これから本格的な冬を迎えます。厳しい寒さは0℃を下回ります。

この町で広がりを見せているのが、壁に吊るされた善意です。「思いやりの壁」と呼ばれる新しい形の取り組みです。イランの街角で数多くみられるようになっています。


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これはとてもシンプルな仕組みで、古着などを困っている人に寄付するため、通りに面した壁にフックをつけ、ハンガーをかけます。準備はこれだけです。ルールは特にありません。いつでも、どれだけでも、持ち帰ることができます。
利用者は「服を買う余裕がないため、ささやかな望みをかなえてくれるのです」とか「今回で2回目の利用です。助かります」と次々と選んで持ち帰ります。明るく塗られた壁には、洋服以外に靴や雑貨などもあります。また、冷蔵庫を設定し、食べ物を提供する人もいます。


テヘランは政府の統計によると、推定15.000人いるホームレスのうち3分の1が女性だとのことですが、失業率は去年10%台になり、慢性的なインフレで食料品・燃料・家賃の値上がりが続き、生活はさらに厳しい状況です。冬は吹雪が山々から吹きおろし、残酷なほど寒くなります。今年は気温が氷点下になる日も多くあり、特に凍結もしばしばです。マジュハドはイラン第2の都市で、シーア派の聖地でテヘランの東850㎞に位置しています。この町の住宅街にある家の壁に「思いやりの壁」の始まりがあります。

「神がするように善行をしましょう。貧しい人びとに敬意を持って」

というプレートがこの家の壁に取り付けられています。
この家の人が始まりです。モスクの慈善団体で働く31歳の若き男性です。
自宅には、友人などが持ち込んだ古着や日用品が置かれています。彼は、「この中から3,4着を選んで壁にかけています。1年を通して、いつもハンガーにかかっているようにしています」とのことですが、きっかけはあるネットで知った海外の取り組みです。
イランでは、直接古着などをやりとりする習慣はありませんでした。しかしある日、ツイッターで彼の「思いやりをシェアしたい」というつぶやきに、壁の住所とともにまたたく間に広がり、数時間後には壁に人びとが服を掛け始めました。

想像を超える大きな反響から半年。取り組みは順調で町の人びとの生活の一部になりました。住民の1人は、「最初は服を求める人のたまり場になるんじゃないかと心配でしたが、大丈夫でした」と安心しているようです。テヘラン北部の裕福な地域では、住民はコート、ズボン、靴下、セーター、帽子、さらにはバッグを用意しています。ダウンタウンのホームレスは麻薬中毒者が頻繁に現れる公園の近くで、誰かが用意した冷蔵庫や毛布、靴や書籍を手に入れることもできます。

クリーニング店から直接持ってきてくれる人もいます。次々と壁にかけていくのは、この行動に賛同するNGOの若い人たちです。資源を再利用する「循環型社会」をこうして進めているのです。
NGO代表、アリトゥスティさん「不要な服を捨てる前に再利用の可能性を考えるような社会に変えていきたい」と話しています。
利用者から「服を持ち帰る時に恥ずかしくないよう目隠しを立ててほしい~」という声があり、これからいろいろなアイデアなども取り入れていくようです。新たな設置場所も3カ所つくる予定があり、ますますこの行動が広がっていくようです。

ドイツに到着した難民たちに、自分たちの不要になった服を提供したドイツの人びとが報道されていましたが、善意は人の持つ素晴らしい特徴ですね。日本でもできるといいですね~
行政もこの取り組みに着目し始め、現在イラン各地に広がっています。


東京新聞 2017年9月7日


「やさしさの壁」。そう呼ばれる壁が、イランの街角にできたのは、二年前の冬のことだといわれる。誰かが道路脇の壁にフックをつけて、こう書いたのだ。「いらない物があれば、ここに置いていってください。必要な物があれば、持っていってください」。家もなく路上でこごえる人に、さりげなく衣服などを贈るのが「やさしさの壁」。イラン第二の都市マシャドで始まったとされるこの素朴な運動は、またたく間にイラン国内のみならず周辺各国に広がったそうだ。今レバノンでは、シリア難民らのための「やさしさの壁」がつくられているという。人口六百万ほどのレバノンには、内戦続く隣国シリアから百万もの人が逃れてきた。レバノンにとっては大変な重荷で、難民への目線も鋭くなっている。国連によれば、レバノンでのシリア難民支援には、およそ二千億円が必要だが、確保できたのは二割。支援の手が届かぬまま、困窮し、敵意にさらされる難民は目に見えぬ壁に囲まれているようなものだろう。米国では、メキシコ国境に巨大な壁を築くという大統領が、米社会に根を下ろした「罪なき不法移民の子」まで追い出そうとしている。難民や移民への嫌悪、憎悪という見えぬ壁は、世界各地で高くなっている。そういう「壁の時代」にあって、「やさしさの壁」は、何かとても大切なものを守っているようだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017090702000123.html



Wall of Compassion in Shiraz (PHOTOS)

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People hang their excessive clothes on the wall for the poor and needy to collect directly.
A number of anonymous youngsters in Shiraz have created a Wall of Compassion in a street in their city.

People hang their excessive clothes on the wall for the poor and needy to collect directly.
The following images have been released by Mehr News Agency: